長年親しんでこられたステンドグラスを新居に移設する前に見てほしいということで、アトリエに持ってきていただきました。
ステンドグラス全体が白く汚れていて気になるので、クリーニングして黒くしてほしいというご依頼です。
ケイム組みのステンドグラスは液体フラックスを使用すると白錆が出てしまうのですが、全部のはんだ個所から広がった錆で、パネル全体が白っぽく見えますね。
錆は薬品や研磨して落としていきますが、完全に落としきれずに後日また出てきてしまう可能性もあることをお伝えしたうえでお預かりしました。
錆取り後にクリーニングして、ブラックパティーナという薬品で鉛の表面を黒く変色させ、ワックスをかけて錆止めをしました。
1か所ガラスが割れているので、こちらは接着剤で割れた部分が欠け落ちないように止めてから、ケイムで目立たないように隠し、パテを詰めました。
![](https://i0.wp.com/atelier-sentez.net/wp-content/uploads/2022/05/ガラス割れ部分.jpg?resize=375%2C500&ssl=1)
割れているブルーガラス
![](https://i0.wp.com/atelier-sentez.net/wp-content/uploads/2022/05/ガラス割れ修理.jpg?resize=750%2C500&ssl=1)
ケイムで隠したところ
ほかに、パテが古くなってぽろぽろと落ちてくるので、補充して完成です。
![](https://i0.wp.com/atelier-sentez.net/wp-content/uploads/2022/05/クリーニング前1.jpg?resize=278%2C500&ssl=1)
Before
![](https://i0.wp.com/atelier-sentez.net/wp-content/uploads/2022/05/ブラックパティーナ仕上げ1-1.jpg?resize=295%2C500&ssl=1)
After
これで新居でも美しく輝きますね。
修理の際にはいつも、私が作ったステンドグラスもこんな風に大切にしてもらったら幸せだなと思いながら、丁寧に作業しています。
本物のステンドグラスは修理が出来るように作る物なので、手入れをしながら、ぜひとも長く楽しんでいただけますようにと願っております。